「このシャンプーはノンシリコンだから良い」
と謳っている商品を見かけたことはありませんか?
まるでシリコンが有害な物質であるかのような言われようをしていますよね。
実際のところ、シリコンにはどのような害があるのでしょうか?
今回はシリコンについて詳しく紹介したいと思います。
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目次
シリコンとはいったい何者か?
シリコンはそもそも「ケイ素」という元素を表す言葉です。
よく聞く「シリコン」とはヘアケアや化粧品に配合されるときは、「シリコンオイル」という、とろみのある油のような状態になっています。
しかし、「シリコン」の単体はガラス状の固体であり、油状の物質ではありません。
俗にいう「シリコン」とは、正式には「シリコーン」と呼ばれます。
「シリコーン」はシリコン元素を含む高分子化合物の総称なのです。
補足ですが、シリコーンは慣用名であり、IUPAC正式名は「シロキサン化合物」というものです。
シリコーンというのは成分表示でいうと
「ジメチコン」
「シクロメチコン」
といった表示のものになります。
シリコンオイルを塗ると、髪や肌に被膜を作ってコーティングします。
シリコーンは撥水性があるので、コーティングされた部分は水や汗をはじくようになるのです。
そのため、ファンデーションや日焼け止めにも「水や汗で流れない」と謳われて使用されています。
シリコンオイルを付けた後の肌触りも良く、べた付かずにシルキーで滑りの良い感触となりますね。
使用感向上のために、スキンケアに使われる場合もあるのです。
シリコンは本当に悪いの?
画像参照元:http://ur0.link/CuYP
「ノンシリコンだから良い!」
と謳っている商品がたくさんありますが、シリコーンが悪者とは言えません。
先にも述べたように、シリコーンにはコーティングする役割があるからです。
シリコンオイルが傷んだ髪の表面をコーティングし、キューティクルの剥がれや切れ毛などを予防することが可能。
そして、髪の手触りもさらさらとしたものにしてくれます。
一概にシリコンだから悪いというのはちょっと違いますね。
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シリコンはなぜ悪者扱いされるの?
画像参照元:http://u0u1.net/CAh3
ではなぜシリコンが悪い、
と言われているのでしょうか?
シリコンが肌に付着すると、
コーティング力が強いため毛穴を塞いでしまうという説があります。
頭皮の場合は髪が生えにくく、肌の場合はニキビや吹き出物ができるというのです。
しかし、これに対して
「シリコンのコーティング被膜はガーゼのような網状の被膜のため、毛穴を塞ぐことはない。」
という説もあります。
シリコンが悪いといわれる別の理由としては、
「環境に悪い」ということです。
一般的に家庭の排水に含まれる油分などの有機物は下水処理場で微生物によって分解されて河川に流されます。
シリコンはこの微生物による分解ができません。
そのため、処理されることなく薄まるだけで流されてしまいます。
シリコンが嫌われる最も大きな理由!
中でも、最も大きな理由は
「大手化粧品メーカーによるシリコンオイルの乱用」
でしょう。
シリコンは様々な場面で活躍していますが、大手化粧品メーカーはそれをシャンプーへと配合したのです。
それにより、シャンプーだけで肌触りのよい仕上がりというものを実現したのです。
これが大ヒットしました。
シリコーンは、その安定性から人体に対しての毒性はありません。
しかし、美容師業界からは反発の声があがりました。
それは、カラーやパーマなどのケミカル処理全般に対し、シリコーンをまとった髪の毛は強い耐性を持っていたからです。
また、大手メーカーにより売り上げを圧迫されてきた中小メーカー達もいました。
そのため、中小メーターたちが大手メーカーのシリコンインシャンプーに対し、まるでシリコーンが有害物質であるかのようなネガティブキャンペーンを始めたのです。
「シリコンによりダメージが進行する」
「人体に有害」
「取り敢えずシリコンが配合されているのは避けるべき」
といったものが多く含まれています。
これによりシリコンは「みんなの嫌われ役」として定着したのです。
まとめ
実際のところはシリコンがシャンプーに含まれているからと言って、有害であるということはありません。
むしろ、シリコーンは人体に無害ですし、コーティングしてくれる役割があるので、含まれていても問題ない物質といえるでしょう。
コーティングしてしまうので、カラーやパーマといったケミカル処理をする人には不向きだと思われます。
また、一部の人の体験として、
「シリコンを含んだシャンプーから、ノンシリコンのシャンプーに変えたら肌荒れが無くなった」
という声もあります。
一般的にシリコーンは無害ですが、髪質や肌質により影響が異なってくるのかもしれません。
やはり「シリコンが含まれるかどうか」というよりも、
「自分の髪質・肌質に合ったシャンプーを選ぶ」
ということが重要なのです。
今回の記事を参考に、ご自分に合ったシャンプーを選んでみてくださいね。
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